アンパンマン依存症との闘い。1歳半で発症、3歳で卒業するまで。

これは重度のアンパンマン中毒になった娘の、闘いと再生の記録である。

朗らかで利発的だった娘は、アンパンマンと出会って変わってしまった。

3歳を迎え、ようやく元に戻った彼女を祝し、反省の意を込めてここに記録する。

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アンパンマン中毒とは

子供はみんな、アンパンマンが好きだ。好きすぎる。

好きすぎて一種の依存症になることがある。

アンパンマン中毒とか、アンパンマン依存症アンパンマン病などと呼ばれている。

すべての中心がアンパンマンになる。親はうんざりする。

子供なんてそんなもん、と思うかもしれないが、実際は笑えないほど深刻だった

序章:テレビは最低限、のはずだった。(1歳ごろ)

娘が生まれてしばらくは、テレビを一切見ない生活をしていた。

元々あまり見なかったし、リビングから撤去しても支障はなかった。

わたしたち夫婦の間で、テレビを見せるなら段階的に、話し合ってから徐々に解禁していこうという合意があった。はずだった。

そのうち、1歳ぐらいだっただろうか?合意にもとづき、Eテレは解禁された。

家事の時間稼ぎも必要だし、教育的な内容だし良いだろう。

単純な娯楽はまだ見せないつもりだった。「アンパンマンはまだ絶対に見せないでね」、と話もしていた。

一度アンパンマンの存在を知ってから引き返すのは困難だと思ったからだ。

発症:アンパンマン解禁(1歳半ごろ?)

妻が誘惑に負けてしまった。あれほど絶対に見せてはいけないと言ったアンパンマンを見せた。見せている間の自由に負けたのだ。1歳半ごろだっただろうか。

これには、わたしも怒った。2人で話し合って方針を決めていくのではなかったのか。

とはいえ、より接する機会の多い妻にしかわからないこともあるだろう。

育児は本当に大変だ。容認するしかなかった。

 

そのうち、妻の母の体調が悪化したことで事態は更に悪い方向へ向かった。

お見舞いや手続きの間、静かにしてもらうためにiPadやiPhoneで外出先でもアンパンマンを見るようになったのだ。

娘も行きたくない所ばかり連れていかれて可哀想で、「あまり良くない方向性」だとは思いつつも容認してしまっていた。

まだ可愛かったアンパンマン中毒初期症状

アンパンマンはギネスに登録されるほど多くのキャラクターが登場するのだが、いつの間にか、最近登場したキャラクターのたほとんどの名前がわかるようになっていた。すごい記憶力だ、なんて感心もしていた。

好きなキャラクター(なまいきなまこ、鉄火のマキちゃんなど)ができ、登場する話を何度もみたがるようになった。

街なかでアンパンマンを見つけると、教えてくれるようになった。

笑えないレベルに発展したアンパンマン中毒(2歳ごろ)

アンパンマンの世界と人間界がごちゃまぜになり、まともに会話ができなくなってきた。

「帽子どこいったかな?」と聞いたら「バイキンマンが持ってっちゃった」。

わたしや妻がつくったごはんも、「ジャムおじさんが作ったご飯おいしいね」。

お片付けしよう、と言っても「じゃあ、アンパンマンたち呼んで片付けてもらおう」。

どんなに話しかけてもアンパンマン以外の答えが返ってこない。

よそから見ると微笑ましいかもしれないが、本当に全ての会話がこれになる。

 

口調も明らかに変わり、不自然な話し方をするようになる。会話が噛み合わなくなる。

アンパンマンで出てきたセリフしかしゃべらないのだ。

事情を知らない習い事の先生にも、「本人の言葉でなくて、何かのキャラクターの言葉を発してるだけのように見える」と言われ大変ショックを受けた。泣きそうだった。

(一応誤解のないように言っておくが、先生は軽々しく悪口や批判をする人ではない。このときもすごく気を使いながら、やんわりと指摘してくれた)

 

寝言もすべてアンパンマンになった。

朝起きて一言目も「アンパンマン」。

 

どんなに小さくてもアンパンマンを見つけ出し、それが手に入らないと泣き叫んだ。遠くの方の子供の帽子の、1センチのロゴマークなんかも絶対に見逃さない。

アンパンマン関所

生活圏内にアンパンマンジュースの自販機がある。そこは買わねば通れないアンパンマンの関所になった。しかもこの自販機、遠くから話しかけてくる。

アンパンマンがいないスーパーはない。地獄。

グッズ展開が多すぎる。

この頃になると、わたしにとってアンパンマンは、資本主義に心を売った悪魔にしか見えなくなっていた

最悪の違法アンパンマンYou Tube動画

You Tubeには、アンパンマンのおもちゃを使った動画が多数ある。いわゆるユーチューバーが収益目的でアップロードしているのだ。

アンパンマン公式は許可していないと正式にコメントしている、正真正銘の違法動画だ。

教訓など何もない。地上波のバラエティやアニメの方がよっぽど良心的だ。

だが、子供はこういうのが好きなのだ。

何かの拍子にこれを見てしまい、アンパンマン本編よりもむしろこっちを見たがるようにさえなった。

アンパンマンからの離脱を試みる

アンパンマンを見せないようにしたが、時すでに遅し。存在を知ってしまうと忘れることはできないのだ。

見せたくない親と、依存症の娘との闘い。詳しく書く必要もないだろう。

忘れたころにやってくる、親戚からのアンパンマン

親戚は基本的に情報のアップデートが遅い

以前「アンパンマンが好き」、というのを聞いたのを覚えていて、ことあるごとにアンパンマン関連のものを送ってくるのだ。

たまに軽く、「今、アンパンマン断ちしてるんだよね」と言っても、なかなかインプットされないものだ。

アンパンマン断ちによって忘れかけたころに、何度もフラッシュバックしてしまう。

3歳前から、徐々に快方へ向かう。

3歳になる2,3カ月前くらいからだろうか。徐々に快方へ向かってきた。

TV番組など、ある程度長編も見れるようになったからだろうか、アンパンマンはあまり見なくなってきた

代わりに、ジブリやディズニー作品はよく見るようになった。トトロやアナと雪の女王が好きだ。

ストーリーもワンパターンなのに飽きてきたのだろうか?

アンパンマンは好きではあるが、全てではなくなった。

アナやエルサのほうが、今は好きなようだ。

何故だかわからないが、アンパンマンのときのような依存はない。現実と混濁もしていない。

 

3歳の誕生日、またしても親戚がアンパンマンのおもちゃを送ってくれた。

あちゃー。と、ちょっと思ってしまったが大丈夫だった。

アンパンマン中毒との付き合い方

触れてしまうと終わり。なのでなるべく早いうちに見せない方が良いのだと思う。

依存自体は、時期が来るまでもうどうしようもない

ただ、良い面もあるにはあったのかもしれない。

 

ごはんを食べないとき、アンパンマンふりかけアンパンマンカレーにはお世話になった。

それしか食べないという弊害もあるが。

お皿にラップをかけてそこにアンパンマンを描くと食べたりもした。

アンパンマンおまるアンパンマンパンツがあればトイレトレーニングなんかのモチベーションにもなるだろう。

依存はどうしようもないので、最大限利用するしかないだろう。

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3歳の誕生日、アンパンマンから離れディズニーランドへ…

3歳の誕生日は、家族みんなでディズニーランドへ行った。本当に幸せだった。

これがアンパンマンミュージアムではなくて本当によかったと思う。

とはいえ、また依存症にならないように注意しよう。

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